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「 雲龍図 」
「雲龍図」鍔 銘 如笄
私の気に入った鍔の部屋 その 4
雲龍図鍔 表面 「龍図」
  「 雲龍図 」鍔 銘 如笄 (花押)
  赤銅地堅丸形平象嵌金覆輪 両櫃(片埋)

頭上に重く立ち込める漆黒の闇。その黒雲より、威でたる龍神の神々しさを
手の平に乗るような、鍔という小空間に見事に、彫り表している。
職人が己の持つ魂のすべてを 注ぎ込み 仕上げた仕事のものである。
 村上如竹の一門、如笄の傑作。

 上質の赤銅を磨地にし、周囲には金の覆輪をめぐらせ、
表には雲龍図を金平象嵌、緋色銅の平象嵌にて 鋭く彫り込み、
銀の平象嵌の雲は歳月を経て黒色化して 漆黒の赤銅の地金に溶け込み、
微細な金の真砂象嵌が画面に奥行きを持たせ、見るものを
暗黒の異次元の世界にいざなう。

 まさに一幅の絵画を見るが如き思いであるが献上鍔としても 
身分の高い武士の腰間を飾るに相応しい一品である。

 江戸時代後期。大刀に使用(縦88mm、横幅85mm)
 裏は金の片切彫平象嵌と金真砂象嵌にて乱雲を彫り表す。
今まさに雷雲の後よりあらわれんとする龍神の登場を予感させる。
暗闇の中で不気味に光る雲。金の平象嵌と金真砂象嵌が
効果的に配されている。

Tsuba
A picture of a dragon with Clouds.Shakudo ground.Signed Jokei with kao.
Late edo period.

A picture of the thunder clound.
( 88*85mm )
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雲龍図鍔 裏面 「 瑞雲図 」